先ほど弘前市りんご産業研究開発事例発表会という
非常に長ったらしい題名の会合に参加致してまいりました。

弘前大学 農学生命科学部助教授 城田安幸氏のセミナーと
各業種の研究成果の発表が数種類あったのですが、
各業種の発表は工業的過ぎて私には不必要だったので
思いっきりパスして城田氏の講義だけ聴いてとっとと撤収
してまいりました。

で、その内容を大まかに抜粋した資料をいただいたので
そのまんまテキストにして皆様にご覧いただこうと思い
パソコンの前でカタカタ作業しました。

宜しかったらご覧下さい。

因みに講義そのものは城田氏のキャラクター的要素も
あいまって非常に興味深く聞く事が出来ました。
そしてこの研究結果が今後地場の産学共に大きな影響を
巻き起こす事になるであろう事は理解出来たのですが、
しかし我々農家にとってどのような影響が期待できるのか
考えてみると構造的な要因からおそらく何らの影響も期待
できずこのまま衰退を続けるだろうという予想が見えて
くるのでした。



リンゴジュース「1日1杯」でがんが消える  週間ポスト 2002-07-05
マウスでは80%に効果


弘前大助教授が刮目の学会報告

1日1杯のりんごジュースを飲めば制がん効果がある
日本一のりんご産地・青森県にある弘前大学農学生命科学部
城田安幸助教授がこんな注目すべき研究結果を明らかにした。
今秋の日本癌学界での発表の予定だと言うが、さてその詳細は?

城田助教授の研究は、生後5週目のマウスを10匹づつ5つのグループに分け、
@滅菌した水 A2%のりんごジュース Bサナギダケ(冬虫夏草の一種)
Cりんごジュースとさなぎ竹の煎じ液 Dホヤ抽出エキス、と
各グループごとにマウスに与える飲み物を変えるところから始まった。
そして45日後にがん細胞を植え付け経過を観察してみたと言う。

するとAのりんごジュースを与えていたグループでは10匹のうち8匹の癌が
消滅したという。つまり生存率は80%という高率となったわけだ。その他の
グループでは半分以上が死んでしまい生存率は30〜50%にとどまった事を考えると
確かに注目すべき効果である。また、滅菌水を与えたマウスの平均寿命は
40日であったのに対しりんごジュースのマウスでは77日と驚異的な結果を
導き出した。

その後生き残ったマウスからマクロファージと呼ばれる免疫細胞の一種を取り出して
細胞の働きを調査したところ、りんごジュースを飲んだマウスの免疫細胞は
滅菌水を飲んだマウスに比べ2倍もの活性能力が認められたのだ。城田助教授が言う。
「マクロファージと言うのは身体に細菌などの異物が入ったときに一番最初に
それを攻撃する免疫細胞。それが活発になると言う事はがんの増殖を抑える事にも
繋がっていると考えられます。またこの実験では他の免疫細胞やリンパ球の数も
2倍に増えていた事を確認しました。」

この研究はもともと城田助教授が7年前から研究材料として使っていた冬虫夏草の
エキスを地元特産のりんごジュースに混ぜ抗癌作用のある新しい機能性食品を
開発しようと行っていた実験のなかで生まれてきたものだ。

「父親が癌と誤診されて必要の無い手術で亡くなった事がきっかけで、既存のがん治療
に疑問を持つようになったんです。その中で中国の医食同源に着目、自然から生み出さ
れる食から癌をやっつけられる方法は無いかと研究を始めたわけです。」

癌治療では現在、手術、放射線、化学療法といういわゆる3大療法と呼ばれる治療法が
主流であるが、近年、第4の治療法として注目されているのが免疫療法である。
闘病や抗がん剤治療で弱まった免疫を高める事で本来人体に備わった事故治癒力を
引き出して癌と戦う方法だ。

癌と免疫力の関係については日々解明されつつあるが
EBM(Evidence Based Medicine=科学的根拠に基づく医療)が基本である
西洋医学の世界ではまだまだ認められていないのが現状だ。だが、免疫療法を
従来の癌治療と併用して効果を上げている患者は多い。

癌治療に積極的に免疫療法を取り入れている東京衛生病院健康医学科・水上治部長は言う。
「免疫療法というのは、がん細胞に直接働きかけるものではなくて、癌と戦っている免疫
の力を高める事で直接的な効果を狙うもの。それだけで癌が治癒するのは難しいが従来の
治療法と併用する事でその効果は格段に上がるのは、私の臨床経験でも確信しています。」

「皮付きリンゴ」をジューサーで

ではなぜリンゴジュースがこれだけ効いたのか?それは現在も継続して行われている
城田助教授の研究で今後詳細が明らかになるはずだ。
「リンゴに含まれるポリフェノールやペクチンといった成分に抗腫瘍効果があることは
数年前から分かっていた事ですが、今回のじっけんでは個々のどの部分が効いたと言う
事ではなく皮を含めたりんご全体のいろいろな物質が相乗的に作用したのだと考えて
います。」(城田助教授)

城田助教授が進めるのみ方はこうだ。
「どの品種でもいいのですが新を取り除いた皮付きのリンゴをジューサーで砕きジュースに
するだけ。マウスに与えた良を人間に換算すると毎日2〜2.5個のりんごを食べる事に
なるが、実際それは難しい。だからジュースにしても180〜200ml、つまりコップに1杯程度
を飲み続ける。と言う事になります。今後は人間にどれだけ効くか確かめてゆく事が課題
です。」

人間の癌にどれだけ作用するかは未知のせかいではあるが、手軽に手に入るリンゴに
これだけ期待が持てるのは我ら生活者にとって朗報ではないか。前出・水上部長が、りんご
の抗がん効果を更に分析する。

「野菜や果物には現在新しい栄養素として非常に注目されているファイトケミカルが豊富に
含まれているんです。リンゴのどの成分が作用したかはわかりませんが、やはりビタミン・
ミネラル以外の栄養素、数千種あるとも言われるファイトケミカルが大きく関わっている
のではないかと思います。がん予防と言う観点から見てもファイトケミカルはあらゆる癌
を抑制する働きを持っている事が既に分かっている。癌を抑制すると言う事は治療にも応用
出来ると言う事。実際抗がん剤を投与している患者に野菜ジュースを飲ませると確実に
副作用が減るんです。ですからファイトケミカルを多く含む果物ジュースを飲む事でそれと
同じ効果が得られる可能性は十分に考えられます。」

化学療法を行うと体内の活性酸素を増やし正常細胞にダメージを与える事で様々な副作用が
現れる事は知られている。ファイトケミカルにはこの活性酸素を抑える作用があることも
報告されているのだ。

この研究結果を元に城田助教授はリンゴを使用した機能性食品や医薬品開発へと繋げて
いきたいと語る。

毎日1杯のリンゴジュース、始めて見ますか。


※城田助教授は報告の最後にジュースの処理方法により効果に変化が現れるので
加熱処理や脱酸素処理をしたジュースについては現時点では何ともいえない
(特許のからみもあって)と注釈入れておられました。

2002/07/03 水曜日 00時12分
あっぷりんご園 http://app-le.jp